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なんか、いろいろ

キレイなお姉さんのいるレコード店〈後編〉

 

「キレイなお姉さんのいるレコード店〈前編〉を書いて

1週間も経ってしまいました。

続きを楽しみにしていた方(いたら)ごめんなさい。

まだの方は、ぜひ〈前編〉を読んだあとに、

こちらの〈後編〉へ読み進めていただければ。

 

レコード店のお姉さんに声をかけられて緊張していた私。

普通の挨拶の「こんにちは」さえ、ぎこちなかったんですよね。

無駄に意識してせっかくの会話のチャンスを逃して、

店を出たあと後悔しての繰り返し。

 

何度も通ってたのはお姉さんを見たいから、これは間違いないです。

洋楽のアーティストのような見た目のかっこよさ、

音楽に詳しくて、優しくて。

憧れでした。

 

そこには、友だちを誘ってよく足を運びました。

子どもなのに常連ぶったりして。

結局、お姉さんとは話ができない情けない少年ですけど。

 

そのレコード店で初めて買ったのはレコードじゃなく、

カセットテープで発売されていた

「ベリーベスト・アバ」。

レコードヴァージョンもあったのに、なぜこっちを選んだのかは不明です。

 

 

                  

 

いっしょにいた友だちも同じものが欲しかったみたいで、

でも1本しか置いていなくて。

 

ここは当然、お姉さんに話かけるチャンスですよね。

 

今はないけど、何日かすれば入荷することを教えてくれました。

 

今、お店にあるテープを友だちに譲って、

自分は後日入荷分を購入するというパターンを選んでいたらなと思うわけです。

 

そうすれば、また会える理由ができたのに。

 

今だから考えつくことで、当時は子どもなので今あるテープを

どっちが買うかで争い、

勝利することが一番の目標になってしまったんですよね。

結局、友だちはアバの別のベスト盤を買うことになりました。

 

いつの頃からか、

見るだけや聴くだけで、何度もお店に行くのは

 

怪しいんじゃないかと…。

 

お姉さんを意識しすぎていたんです。

 

お姉さんからすれば、ただの音楽好きの少年。

 

お店から遠のいて、1ヶ月も経っていないある日

久しぶりに行ってみるとお店は閉店。なくなっていたんです。

 

ショックでした。

それと同時にすごく後悔しました。

 

もしかして、近所のレコード屋さんで働いていないかなと

その足で探しました。

 

いない。いない。

 

あのキレイでかっこいいお姉さんは

幻だったのかなと

今でも思い起こすことがあります。